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S&P500は最強なのか!?

コロナ以降、ネットやYou Tubeで、「S&P500が最強の投資対象だ!」という情報をよく見かけます。

コロナショック以降順調に推移してきた、S&P500も2022年6月にピークから20%以上下落する弱気相場に突入し、その後7月には上昇を開始し、年初来マイナス10%まで回復してきました。

インフレに伴う、FRBの利上げ観測次第で大きく動く市場ですが、長い目で見て、今後もアメリカ一択の投資で問題ないのかを考察していきたいと思います。


結論

米国一択も悪くはないが、やはり基本は世界分散投資がベターではないかと思います。

アメリカは長きに渡って、世界経済をリードしてきました。
特に2010年代は、アメリカの時代だったといえます。

しかし、年代別に見ると、

80年代から90年代初頭の日本経済
2000年代のBRICs
のように、時代を象徴する個別の経済がありました。

「敗者のゲーム」でもお伝えしたように、
「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせることが、投資の勝ちパターンであるならば、世界分散投資でどこで稲妻が輝いてもいいように準備していくのがいいのではないかと思います。


S&P500とは

S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国株式市場の株価指数のひとつです。

ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄の時価総額を元に算出されます。
S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国の市場動向を把握する上で非常に重要な指標といえます。

日本の各ネット証券会社の人気ランキングを見ても、必ずと行っていいほど、トップ3にはランクインしています。

You Tubeやネットの影響が強く出ている結果となっています。


S&P495

S&P495という指標は存在しませんが、最近注目されるワードになってきました。

S&P495は、S&P500から、「GAFAM」を抜くことで導かれた指数のことです。

「GAFAM」とは、「グーグル」「アップル」「フェイスブック」「アマゾン」「マイクロソフト」の総称です(フェイスブックは「メタ」に、グーグルも正式には「アルファベット」というグーグルの持ち株会社のことなので、この総称も変わってきそうですが、今は「GAFAM」が浸透しています)。

「GAFAM」はこの10年間米国市場をリードしてきた代表的な5社ですが、この5社を抜いたS&P495の直近10年間のリターンは、日本のTOPIXと大して変わらなかったという報告もあります。

「米国株の10年」というよりも「GAFAM株の10年」だったと言うほうが正しいのかもしれません。

「S&P500が最強か?」という問いに対しては、「GAFAMの成長が今後も続くのか?」という問いに大きく関係しそうです。


GAFAMとは

この記事を見ている方で、GAFAMと関わらずに生活している方が、一人でもいるでしょうか?


「調べ物をするとき、グーグルの検索エンジンを利用します」

「ネットショッピングをするとき、アマゾンの品揃えは世界一です」

「フェイスブック世代ではない人も、インスタグラムのアカウントを持っていませんか」

「iPhoneやiPad、Macを使っている方がどれほど多いことか」

「Windowsを使ったことがない人はいますか」

世界中の人が、GAFAMというプラットフォームを使って生きています。
ちなみにYou Tubeはグーグルの持ち物です。


GAFAMは、それぞれの企業がアメリカ政府と訴訟をしています。
優良な企業が出てくると、巨額の資産でそれを買収し、自分のサービスとしてしまうことが、「独占禁止法違反」として訴えられているのです。
すべてが、GAFAMのサービスになってしまうと、自由な競争が起きず、消費者にマイナスに働くことをアメリカ政府は問題視しているのです。


GAFAMは市場を独占してしまうほどの巨大企業なのです。


GAFAMの10年

では、このGAFAMがこれでけ生活に溶け込み、成長を続けてきた理由はなんでしょうか?

それは【スマートフォン】です。

2010年といえば、まだガラケーが主流でスマホが登場し始めた時代でした。
フェイスブックに登録しているのは物好きな一部の人だけでした。
そこから一気に世の中の主流がスマホに入れ替わり、先進国だけでなく新興国でもスマホが普及しました。
スマホやタブレットを使い、ネットで手軽に買い物をする文化が定着しました。

その結果、アップルだけの時価総額で3兆ドルを超え、イギリスやフランスといった先進国のGDPを超える「国家」並みの企業に巨大化しました。
いずれ日本のGDPを超えることも、現実味を帯びています。

しかし、それがこの10年でGAFAMサービスの利用者が急増したからだとすると、今後さらに急増することはあるでしょうか。
世界の人口は限られています。
もはや頂点に君臨して市場を独占したGAFAMが、これまでと同じ成長率を維持することは難しいのではないでしょうか。


新興国の経済成長

マクロ経済の観点からも見てみましょう。

2022年には、世界の株式時価総額の中で、米国株の比率は44%を占めています。

時代を遡ってみると、
戦後は90%
1970年代は70%
2000年代は30%
直近10年は44%と盛り返しを見せました。

今後の予測をする上では、「人口とGDP」の予測が関わってきます。


人口予測

現在は、中国の人口が世界一となっておりますが、今後10年以内に、中国の人口はピークアウトし、減少に向かっていきます。

そして、2030年頃には、中国に変わってインドが人口世界一になる見込みとなっています。

インドの人口は、現在13億人ですが、その半分が25歳未満の若者です。
(日本では信じられない人口比率ですね)

今後は、インドの若年層が生産と消費を支える大国へ成長していくと予測されています。


生産年齢人口(国内で行われている生産活動に就いている中核の労働力となるような年齢の人口のこと)という観点から見ると、2050年にはアメリカは61.1%、中国は高齢化により59.8%、インドは67.8%と高い比率をキープすると予測されています。


GDP予測

GDPの予測も見ていきましょう。

言うまでもなく、世界一のGDPを誇るのは、アメリカです。

このアメリカを追っているのが中国ですが、2030年にはアメリカを抜き、中国が世界一のGDPへと成長すると予測されています。

ここまで中国は、2000年には第7位、2009年には第3位となり、2010年から世界で2番目の経済大国となっています。

そして、前述したインドも、2030年には世界第3位のGDP大国となります。


ここまでインドが成長してきても、アメリカは抜かれないとは思いますが、国の成長率という側面も見ていきましょう。


成長率

アメリカが経済大国ということは揺るぎない事実で、それは今後も続いていくと思いますが、投資をする際には、「成長率」も重要です。

インドは年率平均で7.7%、インドネシアは6.2%、サウジアラビアは5.1%、ナイジェリアは6.2%、エジプトは6.6%、パキスタンは7.0%と、新興国の発展は目覚ましいとされています。


一方、アメリカは年率平均で1.8%、日本は年率平均で1.1%、ドイツは年率平均で1.7%、イギリスは年率平均で2.1%と、現在の先進国は低成長です。


人口の増加とGDPの成長が投資とリターンは完全に一致するものではありませんが、長期の投資期間を考えると、新興国の成長を無視するのは、大きなチャンスをみすみす逃してしまう可能性もあります。



まとめ

S&P500は、これまで高いリターンを出してきました。
特に2010年代は、GAFAMの成長の恩恵を受けて、とりわけ高いリターンを出してきました。

アメリカは、長きに渡り世界経済をリードし、これからも経済大国としての立場は変わらないでしょう。

しかし、長期投資を前提とした「成長性」に関しては、先進国よりも、新興国のほうが高い成長率が見込めます。

かと言って、新興国への集中投資はリスクが大きすぎるので、「全世界」に分散投資をして、新興国が成長する恩恵を取り逃すことがない投資戦略を取ってみてはいかがでしょうか?


合わせて気をつけないといけないのは、米国株のファンドと全世界株のファンドを組み合わせる投資方法です。

米国株ファンド50%
全世界株ファンド50%
上記のように投資をすると、中身は
米国株80%、それ以外20%となります。
現状は全世界株の60%が米国株であることを念頭に入れながらポートフォリオを組んで見てください!

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