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異次元の少子化対策最新情報!!本当にそれで足りるの!?

こんにちは!
梅雨の晴れ間が続いていますが、晴れたら晴れたで真夏のような猛暑になっています。

熱中症の救急搬送も増えていますので、お気をつけください。

そんな梅雨と猛暑の中、岸田首相の「異次元の少子化対策」の全容が見えてきました。

今回は、その内容について解説するとともに、子育てをするのに十分な支援なのかを検証していきます。


結論

岸田首相が進めいている「異次元の少子化対策」とは
①児童手当の拡充
②出産費用の保険適用
③年収の壁是正
④子育て世代の住宅支援強化
⑤保育士の配置基準の改善
⑥両親とも育休取得で手当引き上げ
⑦時短勤務による賃金低下を補う給付
⑧選択的週休3日制度の普及
上記の8つです。

これらすべて実現すると、子育て世帯には確実にプラスの影響となりそうです。


しかし、この改革の課題としては、
①財源確保の問題
②個人・企業ともに税金・社会保険料の負担増
③社会的に普及可能か
という問題が考えられます。


また、このような良い条件が揃ったところで、「結婚したい」、「子供を産みたい」というマインドになるかは別問題です。


今回は、この制度を特に経済面から見ていきたいと思います。


少子化対策はなぜ必要なのか?

少子化対策は、日本の人口減少による社会問題を解決するために必要です。

日本の少子化は、出生率の低下によって引き起こされています。
出生率が低下すると、将来的には労働力不足や社会保障制度の維持が困難になる可能性があります。


少子化は、国を運営していく上で、非常に大きな問題です。

イメージしやすいように、小さい村で考えていきましょう。
人口が100人の村で、外からの移住者がいないと仮定します。
日本の合計特殊出生率は1.30人、人口減少率は0.44%とすると
現在  100人
5年後  95人
10年後  91人
20年後  83人
30年後  75人
50年後  50人
と減っていきます。
このままでは、働き手も減り、買い手も減り、子供も減り、村の経済は破綻していきます。

村の駄菓子屋さんはすぐに経営破綻してしまうでしょう。

こんな状況が地方部ではすでに始まっており、日本全体としても同様の傾向にあります。


実際に合計特殊出生率が現象し、人口の減少率は増加傾向にあります。

このままでいくと、テスラCEOのイーロン・マスク氏がTwitterで発信した、日本はいずれ消滅するという発言が、全く的外れとは言えない状況です。


少子化によって、経済が破綻し、国がなくなっていく可能性は大いにあります。


個人的な意見ですが、政治家の先生たちは、多くの方が高齢です。
そして、選挙に行く有権者も高齢者が大部分を占めています。
ということは、政治家に取っては、自分が在任期間中に支持される高齢者向けの政策を掲げれば生きていけるのです。
30年後、50年後、100年後の未来を考えてくれる政治家は、ほとんどいないのではないでしょうか?

その点、岸田首相は、現実味は低いものの、本当に未来の日本を良くする政策を取り始めました。

イメージはどうあれ、「異次元の少子化対策」は今よりも良い未来に向かっていく政策だと思います。


具体的な少子化対策とは?

「異次元の少子化対策」の具体的内容が、6月13日に遂に発表となりました。

財源の不透明性や実現性は横におき、今後どのような対策が実行されるかどうかのたたき台が発表されましたので、解説していきます。


①児童手当の拡充

児童手当とは、児童の養育を支援する目的で、国から支給される手当です。

児童手当は、児童の健やかな成長を支援し、子育て家庭の経済的負担を軽減する目的で、昭和40年(1965年)に創設された制度です。

0歳から中学校卒業までの児童を養育している方に支給されます。


児童手当の支給額は、0歳~3歳未満は15,000円、3歳から中学生までは10,000円となっております。
第三子以降は、3歳以降も15,000円が支給されます。

また、世帯主の所得が高い家庭には、所得制限があります。


これを、3歳から高校生までの支給に変更し、第三子以降は、倍額の3万円を支給。
所得制限も撤廃するという改正案となっています。

これらの財源を賄うのに、約1兆円規模での追加財源が必要になるとのことです。


この財源を捻出するために、公的医療保険からの捻出や、扶養控除撤廃といったことが計画されているようです。
財源が必要なのは間違いありませんが、家計でも同じで、まずは節約から始めるのが当たり前です。


どこから財源が来るのかは引き続きウォッチしていきましょう。



②出産費用の保険適用の導入

出産費用については、これまで、分娩は病気やケガではないなどの理由から、保険が適用されず、出産一時金で支援をしてきましたが、2026年度を目途に、出産費用の保険適用を導入することを検討するとしました。

また、同時並行で現状の、42万円という出産一時金も50万円と増額を検討中です。


出産には、費用がかかります。
その費用を負担するだけでなく、出産祝い金等の対策にも期待したいところです。


③「年収の壁」への対応で企業への支援強化

「年収の壁」は、配偶者の扶養に入っている人が、企業の規模によって「106万円」や「130万円」の年収を超えると、社会保険料の負担が発生して、逆に収入が減ってしまうことを表す言葉です。

政府は、「年収の壁」を意識せずに働くことが可能になるよう「短時間労働者への被用者保険の適用拡大」と「最低賃金の引き上げ」に取り組むとしています。

当面の対応として、労働時間の延長や賃上げに取り組む企業に対し、必要な費用を補助するなど支援強化パッケージを今年中に決めた上で、実行し、さらに制度の見直しに取り組むとしています。


年収の壁については、多くの方からご質問を頂きます。
パートで扶養の範囲で働いた方が良いのか、正社員でフルタイムで働いた方がいいのかというご相談を頂きますが、私個人のおすすめは、圧倒的に正社員でフルタイムで働くことです。
もちろん、100万円、130万円、150万円の近辺の収入の場合は「年収の壁」を考えた方がメリットはありますが、多くの方はフルタイム勤務にすると、年収200万円を超える仕事もたくさんあります。
そうすると、手取りで5~10万円収入が変わります。
毎月5~10万円生活費が増えたとすると、家族でのライフスタイルが変化します。旅行に行けたり、外食が増えたり、習い事を増やせたりと、たくさんのメリットがあります。

「年収の壁」の解消の前に、働きたくないという意識の転換が必要だと思います。

キャッシュフロー表を作成すると、お金の出入りが明確になります。
年収の壁を意識し、抑えた働き方をする場合と、フルタイムで働く場合は、全く異なる人生になりますので、それを知ってもらうことが最優先ではないかと思います。


いずれにしても、「年収の壁」撤廃により、労働者が増え、可処分所得が増えるということは、推進すべきことです。


④子育て世帯の住宅支援の強化

子育て環境に優れた公営住宅などに、子育て世帯等が優先的に入居できる仕組みを導入し、今後10年間で約20万戸を確保するとしています。

また、政府とは別で、金融機関も子育て世帯に有利な金利で住宅ローンを貸せるような商品を開発していますし、昨年は、子育て世帯にこどもエコすまい支援給付金を100万円支給するなど、住宅購入世帯への支援も陰ながらありました。


⑤保育士の配置基準の改善

保育士の配置基準の改善を図るほか、親の就労を問わず時間単位で保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」について、2024年度からの本格実施を目指すとしています。

以前問題になった、待機児童の問題も解決できていませんので、まずはそこから手を打つ必要があります。

両方ともに課題なのが、保育士不足です。
保育士の配置基準の改善の案としては、1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善という案が出ています。
1歳児なら、保育士1人が受け持つ子どもの基準が、6人から5人に減るということです。

これで、保育士の負担が減ることにはなりますが、その分、保育園の負担が増します。
例えば、30人の1歳時クラスで必要な保育士の数は、現状5人ですが、改正案がそのまま実現すると、6人の保育士が必要となります。

そもそも保育士が余っていなければ、この改正案を実現することができません。
私は、保育士の方を尊敬していますが、多くの方が低所得で過重労働というイメージを持ってます。
保育士の方の多くは、子供が好きで、夢を持って資格を取得していると思いますが、業務内容や待遇によって、辞めざるを得ない人も多くいるかと思います。

まずは、この環境を変えることが優先ではないかと思います。


⑥両親とも育休取得で手取り引き上げ

出産後の一定期間に男性が最大28日間まで取得できる「産後パパ育休」を念頭に、一定期間内に、夫婦ともに育休を取得する場合、産後28日間を限度に育児休業給付を、現在の「手取りで8割相当」から「手取りで10割相当」に引き上げる案が出ています。

男性の育休についても少しずつ浸透していますが、課題が2つあります。

1つは、収入の問題。
休んだ期間、手取り収入が減ってしまうので、生活への影響が多くなってしまいます。
それについては、28日間という短い期間でも手取り10割相当は良い改正になるのではないかと思います。

しかし、それよりも大きな課題は、女性の育児休業給付金です。
半年から2年間お休みすることもありますが、その間の手取り収入の減少はかなり、家計にとってかなりの痛手です。
以前、手取り収入を10割にするという声明がありましたが、この新しい改正案に変わってしまったのでしょうか。。。


2つ目は、勤務先の問題です。
やはり未だに、産休育休を取るということを良く思わない勤務先がたくさんあります。
それどころか、産休育休制度を取らせない会社すらあります。
雇用保険を徴収しているのに、制度を利用させないのはもってのほかです。
この現状を政府は理解し、厳しく指導する必要があります。
従業員も「悪いから。。。」と言って自主退職している人もいます。
これは、保険に加入しているのに、「悪いから。。。」と言って給付金請求をしないのと同じです。
自分で払った雇用保険です。使うのは当然の権利です。それを良しとしない企業への指導を期待します。



⑦時短勤務による賃金低下を補う給付

育児期の多様な働き方を推進するとして、こどもが2歳未満の期間に、時短勤務による賃金低下を補うため「育児時短就業給付(仮称)」を創設し、2025年度から実施を目指して検討を進めるとのことです。

これも前述と同じく、手厚い支援と合わせて、企業への指導がポイントです。


⑧選択的週休3日制度の普及

仕事と育児の両立から心身の健康を守るため、選択的週休3日制度の普及にも取り組むことも盛り込みました。

少子化対策に限らず、重要な内容ですが、日本人の生産性は主要国に比べて低すぎるのが現実です。
2021年の日本の時間当たり労働生産性は、OECD加盟国38カ国中27位で、アメリカの6割弱に相当します。

アメリカ人が、週3日働く仕事量と、日本人が週5日働く仕事量がほぼ同じということです。
働いている日数を減らすのは、生産性が向上すれば簡単なことです。
アメリカ人も日本人も同じ人間です。
リスキリングも重要ですし、なによりも無駄の多い会社の文化を変えることが重要です。


実現までの課題

上記の8つの案は、完璧とは言えませんし、異次元とも言えませんが、確実に現在よりもよくなる内容です。

これらを実現するためには、いくつかの課題を解決する必要があります。


①財源確保の問題

やはり一番大きな課題は、「財源確保」です。

これらに必要な財源は、約8兆円と言われています。

まずは、歳出を抑えることが最優先に議論されるべきです。
日本の生産性が低いのと同様、政府にも無駄を見直す余力は数多く残っています。

公務員数の縮小や、国会の無駄な答弁茶番劇のために残業している官僚の残業代、高齢者のたまり場となって支出増の公的医療費等、いくらでもあります。


家計でも同じです。
「子供に習い後に行かせたいから、パパママの給料を増やすように会社に言おう!」
とは、なりません。
まずは、パパのお小遣いから捻出するでしょう(笑)

その議論をしつくした上で、増税や社会保険料の増額に議論を移すべきです。


②個人・企業ともに税金・社会保険料の負担増

上述した、財源を政府が準備できない場合(きっとできないと思いますが。。)は、企業や個人が、税金や社会保険料という形で、負担をしなければなりません。


政府の仕事は、所得の再分配です。
所得の高いところから、所得の低いところへお金を分配することで、国は成り立っています。
所得の高い人が税金が高くなる累進課税もそのためです。

そして今回の負担は、「全世帯」から「子育て世帯」への再分配です。

少子化対策とは、国の存続に関わる大きな課題です。

個人的には、それを全国民で解決に向かう税金や社会保険料の負担増は仕方がないと思います。
もちろん、歳出を見直すことが最優先です。

お子様のいない家庭にも負担を強いることとなりますが、お子様のいない家庭も、将来の年金や医療費を支えてくれるのは、未来の子どもたちです。
お子様を作る作らないに関わらず、日本で生きていくには、日本の社会保障制度に支えられることになります。
その社会保障制度を支えているのは、未来の子どもたちだということを忘れるべきではありません。



③社会的に普及可能か

最後の課題は、社会的に普及可能かということです。

出生率が減っている要因として、2023年1月に日本総合研究所が行った調査によると、日本人が子供を作らない理由のトップ5は以下のとおりです。

①経済的な理由(お金がかかりすぎる)
②育児の負担
③仕事に差し支える
④自由がなくなる(自分の時間を制約されたくない)
⑤子どもが好きではない、子どもが苦手
また、Z世代(1997年~2012年生まれ)では、「育てる自信がない」という理由も挙げられています。

これらの理由は、日本社会の経済状況や価値観の変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
今回の少子化対策では、①、②を解決する要因になると思いますが、③仕事に差し支えるというのは、それぞれの企業によって異なりますが、基本的に育休や時短等を快く思っていない会社がほとんどです。
男性の育休が推進されていたり、会社としても推進していますが、実際の現場では、歓迎されておりません。
その感覚を変える必要があります。

④、⑤に関しては、個人の価値観なので仕方がないことですが、①~③までは解決可能な課題です。


また、核家族や地域のコミュニティの希薄化により、みんなで子育てをするという風潮がなくなっていることも課題としてあります。


少子化は、一時的なものではなく、国の存続をかけた大きな課題です。
すぐには解決しない問題ですので、腰を据えて何十年もかけて解決していく、政治家の本気度と、政治家を選ぶ選挙への参加で少しずつ変えられるといいですね。



子育てにかかる費用

ここまで、政府の少子化対策について解説してきましたが、それで足りるのか、子育てにかかる費用をまとめました。


日本の教育費は、公立学校と私立学校で大きく異なります。
公立学校は、学費が無料または安価ですが、私立学校は学費が非常に高額です。

以下は、日本で0歳から22歳まで育て上げるのにかかる費用の概算です。

小学校から大学まで公立:約3,000万円
小学校から高校まで公立、大学は私立:約5,000万円
小学校から中学まで公立、高校大学は私立:約6,000万円
小学校は公立、中学から大学までは私立:約7,000万円
この費用には、学費のほか、教材費、習い事費、生活費、医療費など、さまざまな費用が含まれています。

また、これらの費用はあくまでも概算であり、実際の費用は家庭の状況によって異なります。

公立私立は、地域によっても特性がことなります。
私立が進学校の地域もあれば、公立が進学校の地域もあります。

学力や将来目指すものによっても、教育費は変わりますが、到底、今回の少子化対策では、足りないのは明白です。

ですが、上手に活用することにより、負担を抑えることができる対策でもありますので、前向きに捉え、効率的に資産運用を活用しながら、教育資金を準備していきましょう。


まとめ

岸田首相が進めいている「異次元の少子化対策」とは
①児童手当の拡充
②出産費用の保険適用
③年収の壁是正
④子育て世代の住宅支援強化
⑤保育士の配置基準の改善
⑥両親とも育休取得で手当引き上げ
⑦時短勤務による賃金低下を補う給付
⑧選択的週休3日制度の普及
上記の8つです。

少子化対策は国の存続をかけた重要な施策です。
是非実現してほしいところですが、この改革の課題としては、
①財源確保の問題
②個人・企業ともに税金・社会保険料の負担増
③社会的に普及可能か
という問題があります。

財源確保に向けた政府の動きをしっかりと見定めて選挙に参加するとともに、
会社の文化が変わるように皆さんの力が必要です。
同僚が出産するということは、自分たちを支えてくれる未来の家族が一人増えるということです。

是非、前向きに捉えて、子育て支援をしていきましょう!!


また、実際の子育て費用を考えると公立私立により異なりますが、一人あたり、3,000~7,000万円の費用がかかると言われています。
少子化対策だけでは、到底足りませんので、しっかりとライフプランを立てた上で、資産運用に取り組みましょう!

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