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岸田首相死す!?

「インベスト イン 岸田 です。」
岸田首相は、英ロンドンの金融街で講演した際に言いました。

残念ながら、日本語スピーチに中途半端な英語を挟み語尾に日本語「です」を加えたため、「Death(死)」と解釈されてしまいました(笑)

冗談はさておき、最近のニュースでは、
「資産所得倍増計画」、「NISA・iDeCo拡充」と投資の話題も多くでてきていますが、「貯蓄から投資へ」というスローガンをさらに推し進めたいという気持ちが表れています。


岸田首相と言えば、就任当時に、「金融所得課税引き上げ」を掲げており、日本の投資家にとっては、マイナスな影響がある首相だというイメージがありましたが、今度は
「どんどん投資してください!非課税制度も拡充しますよ!」
と真逆のことを言い出しました。

それもそのはず、日本の家計金融資産は2000兆円に上り、その半分以上が現金・預金で、経済に出回らないお金となってしまっているのです。


その家計金融資産が、投資に向けば、経済を活性化し、国民の資産は増え、消費に回るというサイクルが期待できます。
さらにそのあと、金融所得課税を引き上げれば税収も上がり、万々歳です!

ちなみに、「貯蓄から投資へ」というスローガンは1996年から言われており、ほとんど進んでいないことがわかります。


そんな、岸田首相のこれからの政策と課題、私たちが取るべき行動について、解説していきたいと思います。



結論

岸田首相が打ち出した、「骨太の方針」の中の、資産所得倍増計画がどのような内容になるかはわかりませんが、
資産所得を倍増させるということは、私たちにとっては、うれしいことです。

しかし、政府の後押しがあろうがなかろうが、ここに向かって行動していくことに変わりはありません。

最低限の金融知識を身に着け、現状を把握し、優遇制度を利用しながら、
【お金の置き場所を最適化】していきましょう!

各種優遇制度については、常に最新情報をキャッチしていきましょう。


岸田首相の政策

岸田首相は5月上旬に、英国金融街シティの講演で、「資産所得倍増計画」を発表しました。

政権発足時に岸田首相は「令和版所得倍増計画」を掲げていましたが、「金融所得課税の引き上げを示唆」、「自社株買いのルール設定」等、株式市場や投資家を敵に回す印象を与えてきました。

それが突然、「資産所得倍増計画」を発表し、「インベスト イン 岸田」と言ったのです。
これは、安倍前首相が、海外で投資家向けに「バイ マイ アベノミクス(アベノミクスは買いだ)」と発言したのに合わせたのではないでしょうか。

安倍政権は、株価が上昇している局面では、いわゆるアベノミクスの正しさを証明するものだと説明し、株式市場を政権浮揚の材料に使おうとした。
反対に、株価が下落すると一転して株式市場には言及しなくなる、というまさにご都合主義でした。

こうした点も踏まえても、岸田首相が、株式市場を味方につける戦略に転じたのではないかと思いますが、ご都合主義にならないよう目を光らせておきましょう。

資産所得倍増プラン

資産所得倍増プランとは、日本の家計の金融資産の構成比率を考え直そうという考えで、2022年5月5日に岸田首相が発表したプランです。

2021年末、日本の家計の金融資産の半分を預貯金が占めるという割合になっていました。
国民の貯蓄率が増加すると、経済は低迷する傾向にあることから、日本の家計の金融資産の割合と諸外国の家計の金融資産を岸田首相は鑑みて、お金を貯めることより投資に回すように計画を立てました。

日本に籍のある個人の総金融資産額はおよそ2000兆円に上ります。
岸田首相はこの2000兆円に目をつけました。

この10年間でアメリカは家庭における金融資産を3倍にし、イギリスは2.3倍に増やしました。
日本では、1.3倍にもなっていません。

これは、家計の金融資産の構成比率が深く関わっています。
日本では、家計の金融資産の「54.7%」が現金となっており、運用商品は「17%」しかありません。

アメリカでは、家計の金融資産の「12.7%」しか現金がなく、運用商品は「54.2%」もあります。

この構成比率によって、将来の家計金融資産の増え方が大きく異なります。


このデータを参考に、「貯蓄から投資へ」を推進し、家計の資産を増やし、かつ経済を活性化させていこうというプランなのです。


NISA・iDeCoの拡充

資産所得倍増プランの具体策は、「NISA・iDeCo制度の拡充」です。

NISAは、イギリスの個人貯蓄口座である、ISA(Individual Savings Account)に日本のNをつけ、2014年に発足しました。
一般NISAでは、株式などへの幅広い投資が可能で、年間120万円までは本来引かれる20.315%の税金がかからない制度です(非課税期間は5年)。
2018年には、より長期資産形成向きの「つみたてNISA」(年40万円、非課税期間20年)も加わり、着実に利用者を増やしてきました。

昨年末の口座数は一般1248万、つみたて518万に達する。

このNISA制度の拡充が噂されています。
本場イギリスのISAだと、年間の投資上限は「2万ポンド(300万円前後)」で、非課税投資期間は、なんと「無制限」です。
これに習い、投資上限や非課税期間の延長等が期待されています。


iDeCoとは、個人で加入できる年金制度です。
個人が将来にそなえて老後の資金を作りやすいよう、国が用意した制度で、掛金が全額所得控除になるなど税制優遇メリットがあるのが特長です。
今年4月のiDeCo加入者数は242万人になります。

iDeCoについては、既に2022年にいくつかのルール改正が決まっています。
①受け取り開始時期の選択肢が75歳まで拡大
②加入年齢が60歳までから、65歳までに拡大
③企業型確定拠出型年金加入者のiDeCo加入要件緩和
となっております。
ここからさらに、受け取り開始や加入年齢の引き上げ等が噂されています。


NISAもiDeCoも、資産所得倍増に向けて、さらにメリットが出てきそうです。


残る課題

NISA・iDeCoの拡充で利用しやすくなるのは間違いありませんが、現状は課題が山積みです。

一つは、制度の不明瞭さです。
NISAは、現状で「一般・つみたて・ジュニア」と3種類あり、投資上限も投資期間も異なります。
どれが自分に合っているかを見極めるのが難しい状況です。
また、2024年以降は新NISAとなり、1階部分の積立額を満たした人が、2階部分に投資できるという、より複雑で使い勝手の悪いものに改悪されます(個人的感想)。

そして、二つ目はより、大きな課題です。
日本人は「投資に後ろ向き」ということです。
実際に、NISA口座の開設数は、20歳以上(成人年齢引き下げ前)の人口の20%弱しか開設していません。
開設可能な日本の人口の5人に4人は開設していない。
投資に後ろ向きだということがわかります。
また、NISA口座を開設していても、「不稼働」な口座も30%程あります。
これも加味すると、非課税口座を利用して投資をしている20歳以上の割合は、15%と7人に1人程の割合しかいません。

これは、日本の「金融教育」が原因です。
高校生は今年から、授業で金融教育が始まりますが、私たち大人は、金融について学ぶ機会がありません。
知らないものは怖いという、日本人の根強い意識から、「投資 = 怖い」というマインドになっているのが、現状です。
大人の金融教育も資産所得倍増には「必須科目」だと思います。


私たちがやるべきこと

資産所得倍増プランを打ち出した岸田首相ですが、私たちにできることは限られています。
それは、「自分の資産は自分で守っていく」ことです。
自分の資産を隣の誰かが守ってくれる訳ではありません。

政府が貯蓄をするより投資をするように推進してきたとしても、自分の頭で現状を整理して、未来を予測していく必要があります。
仮に政府の言うとおりに投資をおこない損をしたとしても、政府が損した金額を負担してくれることはありません。

投資を推進していく政府になっていく可能性は高いですが、結局自分がどうしていくべきかを判断していかなければならないのです。
投資はすべて自己責任です。

資産運用をおこなう際は、明確なゴールや目標を決めておくといいでしょう。
60歳までに2000万円分の資産を目指すであったり、50歳までに教育資金1000万円を用意するだったりと、人によって設定する目標はさまざまです。

金融商品は数多く存在し、利回りやリスクも異なります。
どの金融商品が自分に適しているかを判断して運用していく必要があります。

そのためには、まず【投資の基礎知識】を知ることです。
短期的なスキルではなく、長期的な世界の動きを知ることで、自信を持って投資に向き合うことができます。
なにも難しいことではありません。今年iPhone14が発売され、来年iPhone15が出る程度の感覚で経済を捉えることができれば十分です。

そして、なにより、身近に相談できる金融アドバイザーを持つことが重要です。
もし、運用方針で迷ったら是非一度お声掛けください。


まとめ

2022年5月5日、ロンドンの金融街シティーにて岸田首相は、
「インベスト イン 岸田 です(笑)」
と呼びかけ、日本に投資をしてほしいと世界の投資家たちにアピールしました。
岸田首相が2022年現在考えている計画は、資産所得倍増プランです。

このプランの目的は、個人や家庭がもつ金融資産を増やすことです。
そのため、今まで多くの日本人は預貯金をメインにお金の管理をおこなってきましたが、メインの金融資産を預貯金以外の金融商品に変えていこうと推進しています。

日本に籍がある方の個人の総金融資産額はおよそ2000兆円とされていて、この2000兆円を投資に回して運用していくことで、アメリカやイギリスのように家庭や個人の金融資産を増やしていこうとしています。

資産運用をおこなう際は、明確なゴールを決めておくと必要があります。
明確なゴールを設定しておくことで軸がブレることなく、ゴール達成のために資産を運用していくことができます。

私たちにできることは、自分の資産を自分の力で守っていくことです。
投資を勧めている政府ですが、政府は責任を取るわけではありません。
是非、ご自身に合った投資戦略を一緒に練っていきましょう!

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