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みんなの疑問 ~株価は割安になったのか!?~

こんにちは!

6月は、株式市場が大荒れし、アメリカ株が弱気相場に入ったとの見方が出てきています。

今回の「みんなの疑問」は、
「株価がだいぶ下がってきたようだけど、今の株式市場は割安なのか?」
という質問について、考察していきたいと思います。


これまで、現金を貯めてきた方や、確定拠出年金で元本確保型の商品を選択していた方は、【株式への一括投資】のタイミングを狙っていることと思います。

そんな方の参考になればと思います。


今回は、データの多数出ている、「アメリカの指数・S&P500」について、割安なのか割高なのか検証していきたいと思います。

参考にしたのは、ウォールストリートジャーナルの
「米株は割安になったのか?8つのモデルで検証」
を参考にしながら、解説していきたいと思います。

結論

米株は、過去のデータと照らし合わせると、「割安」とは言えません。

ですが、割安ではないからと言って、いつまでも市場に参加しないことは、「敗者のゲーム」でも紹介したように、上昇相場を逃すことにつながります。

現在の水準は、割安ではありませんが、少しずつ「割高感」が薄れてきていると思います。
現金を貯めてきた方や、確定拠出年金で元本確保型を選んできた方は、「一括」ではなく、「分割」して株式市場にお金を移し始めても良いかもしれません。

また、これから、資産を構築していく方は、「積立投資」で、コツコツと買い続けることで、「割安・割高」に左右されない資産運用が可能になりますので、是非トライしてみてください!


では、ここから細かく指標を確認していきましょう!


現在の米株について

アメリカの代表的な指数であるS&P500は、2022年6月17日に、年初来の安値を更新し、【23.55%安】を記録しました。

NASDAQ100指数にいたっては、年初来32.76%安と大幅下落となっています。

これらの原因は、
①ウクライナ侵攻
②エネルギーコスト高
③物流の停滞
④高インフレ
⑤利上げ
等の様々な原因が絡み合ってのことかと予想されます。

一般的に、株価が20%下落すると、【弱気相場入り】と言われています。
現在では、多少持ち直していますが、株式市場はまだまだ不透明感から、緊迫した状況が続くかと思われます。

ここ数年で投資を開始した個人投資家にとっては、コロナショック以来の弱気相場で、不安を感じている方もいれば、割安な時に購入したいという強気な方もいるかと思います。


今回は、米株市場が「割安水準」になったのかを、8つの指数を用いて解説していきたいと思います。

米株は割安なのか

米株が割安なのかを、判断するためには、「価格」を見ないことです。

例えば、
みんな大好きSwitchを出している、任天堂の株価は1株約60,000円前後です。

みんな大好きiPhoneを出している、Appleの株価は1株約20,000円前後です。

どちらの株が割安でしょうか?

株かだけを見ても、その価格が割安なのか割高なのかを判断することはできません。


では、どのようにして、「割安・割高」を判断するのでしょうか?

それは、その企業の価値を見ることです。
企業の価値を見るには、これから解説する、8つの指標を参考にしてみてください。

指標を確認した上で、現在の米株が過去の指標と比べて割安なのか割高なのか検証していきましょう。


8つの指標


PER(株価収益率)

まず、一つ目は、PER(株価収益率)です。

この指標は、「現在の株価は一株当たりの利益の何倍か」という値です。

例えば、
発行株数500株
利益(1年)10万円
現在の株価2000円
だとすると

一株当たりの利益 = 10万円 ÷ 500株 = 200円
PER(株価収益率) = 2000円 ÷ 200円 = 10倍

となります。
この倍率が高ければ割高
この倍率が低ければ割安
という考え方です。


5月の安値(18.68%安)を付けた際は、【PERは16倍】でした。
過去30年間のS&P500の平均PERは16倍です。

一時期は25倍を超えていいたので、現在大きく下落しているように見えますが、やっと【平均水準】になったと考えてもよいでしょう。



CAPE

CAPEは、ノーベル経済学賞を受賞した、ロバート・シラー教授が考案した指標です。

前述のPERと同じで、「現在の株価は一株当たりの利益の何倍か」という値ですが、一株当たりの計算方法が異なります。
PERは、1年間の一株当たりの利益で計算するのに対して、
CAPEは、過去10年平均の一株当たりの利益で計算します。

PERよりも、長期に渡っての株価収益率を計算することができます。
PERと同じく、この倍率が高ければ割高、低ければ割安となり、割高の目安は【25倍】です。

過去には、
1929年のブラックチューズデーの直前に【29倍】
2000年のITバブルの直前に【44倍】
2008年のリーマンショックの直前に【27倍】
という暴落を予知した実績もあります。

5月の安値を付けた際は、【30.4倍】もあります。
これは、1900年以降の前弱気相場底値の平均CAPEの2倍以上です。

CAPEに関しては、まだまだ割高水準です。


PSR(株価売上高倍率)

PSR(株価売上高倍率)は、一株当たりの売上高と株価を比較した値です。

PSR(株価売上高倍率) = 時価総額(株価×発行株式数) ÷ 売上高
上記で求められます。

Amazonのように、利益を残さずどんどん投資をする企業の場合、利益では企業の価値を図ることが難しいので、「売上」も参考にしてみましょうということです。

PSRも、高ければ割高、低ければ割安となりますが、
5月の安値の水準は、
過去50年の弱気相場の底値を付けた際のPSRを162%上回っています。

PSRに関しても、割安とは言えない水準です。


PBR(株価純資産倍率)

PBR(株価純資産倍率)は、株価と会社が保有している財産を比較した値です。

PBR(株価純資産倍率) = 時価総額(株価×発行株式総数) ÷ 純資産
上記で求められます。

これも、数値が高ければ割高、低ければ割安と判断されます。

5月の安値の際のPBRは、
過去50年の弱気相場の底値を付けた際のPBRを95%上回っています。

企業が持っている財産に対して、株価が高めということです。

PBRも、割安とは言えない水準です。


平均的な投資家の株式配分比率

平均的な投資家の株式配分比率は、金融資産に占める株式の割合のことです。

株式・債券・現金に分類されます。

株式の配分が高ければ、攻めの投資家が多く、株式の配分が低ければ、守りの投資家が多いという見方ができます。

直近の2021年のデータを見ると、
過去50年の弱気相場の底値を付けた際の値を見ると68%上回っています。

つまり、平均的な投資家はまだまだ株式の比率を高く持っていて、株が欲しいと感じているわけです。
多くの人が株が欲しいという状況は、割安な水準とはいえないですね。


バフェット指数

バフェット指数とは、株価の国の経済力(GDP)を比べる指数です。

名前の通り、投資の神様と言われる、ウォーレン・バフェットさんが考案した指数です。
自分で名付けたわけではないと思いますが。。。


バフェット指数 = 株式市場全体の時価総額 ÷ 国の経済力(GDP) × 100
上記で求められます。

一般に100%を超えると割高とされています。
過去には
2000年のITバブル崩壊の直前に140%
2008年のリーマンショックの直前に100%
という暴落を予知しました。

昨年末には、220%だったので圧倒的な割高でした。

現在は、149%となりましたが、まだまだ割高水準であり、
過去50年の弱気相場の底値を付けた際のバフェット指数を145%上回っています。

まだまだ割高水準です。


Qレシオ

Qレシオは、株価と企業が持っている財産を比べる指標です。
ノーベル経済学賞を受賞した、ジェームズ・トービンさんの研究に基づいた指標です。

Qレシオ = 時価総額(株価×発行株式数) ÷ 企業財産(時価評価額)
上記で求められます。

PBRと似ていますが、
PBRは、「簿価」(所有したときの値段)で判断しますが、
Qレシオは、時価で判断します。

Qレシオは、【1未満】だと割安と見ますが、
米国株の歴史上は、平均が【0.7】となっているそうです。

5月の安値で確認すると
過去50年の弱気相場の底値を付けた際のQレシオを142%上回っています。

これは、企業が持っている財産と比べると、ずいぶん高い株価が付いていると言えます。
やはり、割安な水準とは言えません。


配当利回り

配当利回りは、一株当たりの配当金です。

配当利回り = 配当金 ÷ 株価
上記で求められます。

配当金が変わらないと仮定すると、
株価が高くなっていくと、配当利回りは低くなり、
株価が低くなっていくと、配当利回りは高くなります。

配当利回りが高いと、株式は割安と判断できます。

5月の安値を見ると
過去50年の弱気相場の底値を付けた際の配当利回りを121%上回っています。

これだけ株価が下落してきても、割安感はまだありません。


まとめ

今回、ご紹介した、8つのモデルで検証すると、
まだまだ米国株は割安な水準とは言い切れなさそうです。

しかし、これはあくまでも指標です。
指標が割高だからと言って、株式市場に参加しないというのは、これからの上昇相場を取り逃がすことになってしまいます。

一括投資をするべきタイミングを計るのは難しいですが、毎月コツコツと積立投資をする場合は、割安や割高を気にせず市場に参加することが可能です。

一括投資をする場合には、タイミングや資産クラスをしっかりと検討してから、一歩を踏み出してください。
逆に、積立投資に関しては、少しでも早く取り組みましょう!

一括投資のご相談があれば、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください!

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